北欧旅行記 Day6 (1/2)

タンペレの朝.
朝食前に電動キックボードに乗りショッピングモール(Shopping Center Ratina)にあるコインランドリーに向かいます.
フィンランドでは24PESULAというお店がメジャーなようです.


使い方は日本と大差はありません.
洗濯機をセットし,洗濯中の時間でホテルに戻り朝食を取ります.

そして,洗濯の完了時間が迫ってきたので再びショッピングモールへ.
洗濯物を取り出してみると,生乾きでした.
時間が足りなかったか…しかし,VRの時間が迫って来たので急いでバッグに詰めてモール内をダッシュ.

急いでタンペレ駅に向かいました.

タンペレ駅(タンペレ到着時に撮影)

VRの到着駅はユバスキュラ駅です.
到着までに1時間半ほど時間がある為,列車の中でユバスキュラで利用できる市バスのアプリ「Linkki」の設定を済ませます.

タンペレ→ユバスキュラのルートのイメージ

前日の夜に相方がホテルのサウナで一緒になったビジネスウーマンがユバスキュラの出身で,おすすめスポットなど色々話を聞けたようです.
ユバスキュラは森の散策で知られますが,その方も是非とも森を歩いてみて欲しいと言っていたそうで,見学予定の建築と合わせて,自然の風景も楽しみになります.

ユバスキュラに到着し,先ずは生乾きの洗濯物を乾かすべく,もう一度コインランドリーに行くことにしました.

この日は,アアルト設計の実験住宅(koetalo)とセイナッツァロ村役場を見学する予定だったので,その経路上のコインランドリーがあるショッピングセンター(Keljon kauppakeskus)に向かいました.


ランドリーで乾燥機をセットして,スーパーで買い物.翌日の朝食用にデリやパンを買っておきました.

フィンランドのスーパーでは小さなところでなければ,デリコーナーが設けられている場合が多かったです.私は普段,野菜を多く食べるので野菜の少ない外食メインだと体調を崩します.
デリは野菜を沢山取れ,味も良し,コスパも良しなので,レストランが見つからない時や,食事を簡単に済ましたい時に重宝しました.

ここのスーパーは品揃えが良く,お土産に出来そうなマリメッコやイッタラの小物も多く取り扱いがありました.

この日はアアルトが設計した建築であるセイナッツァロ村役場に宿泊します.
役場のあるセイナッツァロはパイエンネ湖に浮かぶ小さな島で,付近に飲食店等はほどんどありません.
朝食も出ないのでスーパー等で調達する必要があります.


買い物を終えて,お昼時なのでショッピグセンターに入っていたバーガーショップに入ることにしました.
HESBURGERはフィンランドでよく見かけたチェーン店です.
マクドナルドより好印象.美味しく頂けました.

ユバスキュラ→実験住宅のルートのイメージ

その後は荷物を預ける為,実験住宅までの経路の途中にある村役場に寄ります.
実験住宅は集合時間が決まっている為,直ぐにバスに乗って移動.

セイナッツァロ島からムーラツァロ島へ.
バスから見える森と水辺の入り混じる風景は新鮮でとても魅力的です.

ムーラッツァロの実験住宅の案内

バス停(Muuratsalo)に到着し,バス停から徒歩で集合地点に向かいますが,集合地点がなかなか分かり辛い.

道端の柵に掛けられた案内の看板が目印ですが…地味で小さなものでした.
看板の前で待っていると徐々にツアーの参加者が集まってきました.
当然,ここが集合場所かと尋ねられました(笑)

集合場所

暫く待つと森の中からスタッフが迎えに来てくれました.
柵の一部が開き,森を10分ほど歩くと建築にたどり着きます.
舗装はなく,足場の悪い所も多くあるので,キャリーバッグとハイヒールは絶対NG.
ちょっとしたハイキングなので,滑りにくく動きやすい靴がお勧めです.

実験住宅は湖畔に建つ建築ですが,島に橋が架かっていない時代に船を利用して湖側からアプローチしていた為,ツアーで森を抜けると建物の裏側に出ることになります.

フィンランドの森は日本とは違い,明るく爽やかな雰囲気です.
気候や日照が理由なのでしょうか?
植物の種類が少ないのか整った印象,植生の密度が低く,光がよく差し込んでとても綺麗です.


地面を覆うのは,なんとブルーベリーの木です.
背が低く,日本で目にするものと随分姿が異なります.
よく見ると小さな実が沢山実っています.

最初に建物裏手で建物の概要,倉庫や増築部分の解説を受けました.
そのまま外を周って別棟のサウナ小屋を見学.
意外と母屋から離れたところに建っています.
水際でサウナを出て直ぐに湖に飛び込めるようになっていました.


続いて実験住宅の最大の特徴でもある中庭に.
様々なレンガの積み方や特注タイルをここで試しているのを見ることができます.
窓を潰してまで試しているのには驚きました.

そして内部へ.
美しい環境にありながら,それほど開放的な設計になっていないのが少し不思議に感じました.
設えがアアルトの他作品よりもラフな印象ですが,クリエイターの秘密基地といった感じがして悪くありません.
そうしたこともあってか建物全体がリラックスした雰囲気をもっています.


内部の見学を終えて中庭に出ると,開口部から飛び込んでくる風景と低い位置から入る逆光が神秘的で美しい.

中庭はプライベート空間というよりも,環境を柔げるバッファーや風景を切り取る額縁として機能しているのかもしれません.

実験住宅は見学できる期間が限られており,夏季のみ.
コロナ前に計画していた北欧旅行のタイミングでは見ることが出来なかったのですが,延期したことで見学することが出来ました.
とても良かったので結果オーライですね.

爽やかな木陰と穏やかな水辺.
ここは本当に気持ちの良い環境でした.

アアルトは村役場の工事中,船で現場に通っていたそうですが,その途中でこの土地を見つけ,別荘としてこの建物を計画したそうです.
実際に訪れてみると納得です.
建物を出てからもつい長居をしてしまいました.

ユバスキュラの森とアアルト建築を楽しめる一石二鳥のツアーでした.

(続く)