北欧旅行記 Day8 (1/2)

コペンハーゲンで迎える最初の朝.
ホテルの朝食の評判はそこそこ良く,実際に味は悪くなかったのですが,冷たい料理ばかりだったので,連泊で飽きがきたり,身体が冷えて体調を崩さないかと少しだけ心配になりました.

この日の最初に目指したのは,デンマーク国立銀行です.
メトロに乗って向かいました.

デンマークのカラス

駅までの道中カラスらしき鳥を見かけましたが黒一色ではなく,白と鮮やかな青が混ざっており,なんだかお洒落です.
流石,デザイン大国と感心しました.笑

天気はあいにくの小雨.

大きな交差点に出ると視界が開け,目的の建築が現れました.

大理石とガラスをストライプ状に配し,メリハリを効かせたデザイン.重厚さとシャープさを兼ね備え,堂々たる存在感.
かっこいい!

Danmarks Nationalbank/Arne Jacobsen

設計はデンマークを代表するモダニズムの巨匠アルネ・ヤコブセン.
この建築はヤコブセンの遺作と言われています.
私がコペンハーゲンで特に楽しみにしていた建築の一つです.

しかし,入り口が合板で塞がっている…

まさか,と思い裏口から出てきて掃除を始めたおばちゃんに尋ねると改修工事中で中に入れないとのこと.

見学可能なロビーは素晴らしい吹き抜け空間.
見たかった!残念!

気持ちを切り替えて移動します.
またの機会に訪れたいです.

銀行周辺の街並みも良い雰囲気

デンマーク国立銀行は運河に面しています.
運河沿いには現代建築,現代的なデザインの橋などが並んでいます.
水辺の建築って素敵ですよね.

運河沿いの遊歩道を歩き,それらを軽く見て回ることに.
先ずは現代芸術家のオラファー・エリアソンがデザインした可動橋「Circle Bridge」に向かいました.


向かう途中で,雨は止んでいました.

北欧旅行で傘を使ったのはこの時だけ.
雨はあまり降らないのですね.

Cirkelbroen/Olafur Eliasson

5つの円を繋いだ平面と船のマストのような支柱に赤い手摺.
とてもチャーミングなデザインです.
可動橋なので背の高い船が来た時は動いて航路を開けることが出来ますが,よくある跳ね橋ではなく,円に沿って
回転するのも特徴的です.
こういう特殊なアイデアを実現してしまうのがすごいですね.

小さな橋ですが多くの人で賑わっていたのが印象的でした.
妻と二人で記念写真を撮ろうと苦戦していたとこと,SASホテルの自転車に乗ったお姉さんが声を掛けてくださり写真を撮ってくれました.

対岸にはブラックダイヤモンドと呼ばれる真っ黒な図書館が見えます.こちらもメジャーなスポットですが,時間が足りないので見学はしませんでした.


側にある茶色のモダンな建物は中層のオフィスで,なかなか格好の良い建築です.こんな建物で働いている人はすごく仕事ができそうに見えますね.笑

景観保護のため高層ビルが建たない代わりに,めちゃくちゃ凝った造りのオフィスが多いのは欧州ぽいなと感じます.

働く環境としても,高層よりも低層または中層の地面の近い建物の方が魅力的だと個人的には感じますが,皆さんはいかがでしょうか?

彫塑的で美しいデザインの橋は,自転車と歩行者のためのもので,
対岸に見えるガラスボックスを積み上げたような建築がOMA設計のBLOXです.

川に浮かぶ緑の洗濯機のオブジェはグリーンウォッシング問題をアピールするもののようです.
街の景観からも浮いているような…

グリーンウォッシング問題とは,上辺だけの環境配慮で消費を煽ったり,消費者を騙してイメージアップを図る企業活動のことです.
結果的に環境負荷を増大させる点などが問題とされています.

聞き慣れない言葉ですが,実感のある人は少なくないでしょう.
ショッピングバッグを大量に生産することになった,ビニール袋の有料化などもこれに当たると思います.

確かに,むむむ…と思うことが多々ありますよね.
大切な視点だと思います.

流石,自転車大国デンマーク.
本当に多くの人が自転車を利用しています.
なだらかに湾曲するこの橋を自転車で走ると気持ちが良さそうです.

橋を渡り,BLOXに入ります.
建築美術館が中にあり,コンテンツは気になりますがこちらもパス.
デンマークで実際に体験できる建築を優先します.

BLOXは建築は意外とおとなしい印象,お土産売り場はなかなか充実していて楽しかったです.

Day8,国立銀行は空振りでしたが,楽しみにしている建築はまだまだあります.
デンマークの旅はここからが本番です.

(続く)